75.「前頭側頭型認知症&意味性認知症」

 ケアマネージャーさんをお願いしたい、と思っていながら
躊躇していました。
やっと決心をして電話をして
7月30日、自宅へ来ていただきました。

認知症専門の事業所ではなかったので
意味性認知症についての資料があった方が良いかと
探しました。

以前、gotoyanさんのブログでご紹介いただいたように記憶しています。

読むと、大阪市ってスゴイ!と感心してしまいました。
発行は25年3月、今年です。PDFになっています。

プリントして渡しました。

認知症の医療・介護に関わる専門職のための
「前頭側頭型認知症&意味性認知症」こんなときどうする!
平成25 年3 月 発行
大阪市福祉局高齢者施策部高齢福祉課
大阪市立弘済院

http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000212/212765/zentousokutouandimiseinintisyou.pdf


当然ですが、この中の言語症状はぴったり当てはまります。

少し、貼り付けます。
PDFの方が読みやすいので、是非ご覧ください。


意味性認知症(SD)
(1)病気の概念 ~意味の記憶が消えていく~

意味性認知症は、前頭側頭葉変性症の一つに分類され、脳の側頭葉前方部の限局性萎縮に伴い、意味記憶の選択的かつ進行性の障害を示す脳変性疾患群とされます。意味の障害(語義*理解および、または物品の同定障害)が病初期から優勢な特徴となります(Neary ら 1998)。
言葉には、成り立つ要素として音声や文法や意味がありますが、その中の「意味」だけが徐々に消えていく病気です。意味性認知症では、「語義失語」と呼ばれる特徴ある言語症状を呈します。病初期には、語義の障害だけにとどまっていますが、進行に伴って、相貌、物品、環境音などあらゆる感覚様式からの同定障害という意味記憶障害に移行していきます8)。 *語義:言葉の意味

(2) 病期の分類 ~言葉の症状で発見され、FTD と類似した行動パターンへ~

田邉敬貴による「臨床病期分類」によると、Ⅰ期では、具体語の意味理解が障害されますが、病感はありますⅡ期になると、病識は失せ、語義失語像が顕著となり、わが道を行く行動、被影響性の亢進、言語・行動面での固執・常同症など、人格、行動障害もめだってきます。そしてⅢ期になると、残語状態となり、自発性が低下してきます9)。
病初期は言葉の症状で気づかれることが多く、徐々に前頭側頭型認知症と類似した常同行動などの行動パターンが生じ、その後発話は数語の繰り返しとなって活動も減少していきます。

(3) 症状の特徴 ~「○○って何?」と言って、相手を驚かす~

① 特徴的な言語症状
「エプロンは?」と聞くと、「『エプロン』って何?」と逆に聞き返して、相手を驚かせます。「エプロン」がどんなものか、呼称できず、聞いたこともないという既知感のない反応を示すのが特徴です。そのため語頭音ヒント**も効果ありません。また「団子」を「だんし」と読む表層性錯読や、「ちりも積もれば」の後が続けられないことわざの補完障害も特徴として挙げられます10)。会話の情報量は少なくても発話量は多く、流暢で滑らかに言葉も出て復唱も可能です。文法的な誤りもありません。
**語頭音効果がない例:ヒント「エ」→「エですか?」、ヒント「エプ」→「エプですか?」
② 強迫的な常同行動
意味性認知症でみられる常同行動は、前頭側頭型認知症と比べ目的を持って動くとされ11)、同じ方法で細かく繰り返し、決めた順序に執着します。そして、時刻表的傾向がめだってくると強迫性を帯びてきます。発話は同じ内容を繰り返し、休みなく話し続けます。
③ 口唇傾向を示す食行動の異常
「食べられないもの」という見分けがつかないために、物を口に入れて確かめようとします。大きなダルマの人形や虫を口に入れようとしたという報告もあります。

(4) 治療

この病気については未だ十分に解明されていないため、根本的な治療薬はなく対症療法が中心となります。その対症療法も薬物療法が十分に検討された大規模な研究はありません。FTD に準じて、常同性や食行動異常に対してSSRI を用いることがあります。確立された方法は未だありませんが、語彙が減りコミュニケーションが難しくなり、やがて自発性が低下していくことを防ぐために、語彙再獲得訓練を試みた報告があり、その効果は語彙について残存する知識の量が重要とされています12)。言語リハビリテーションの実施においては、日常生活での家族支援が不可欠です。

接 し 方 の 基 本
意味性認知症(SD)
SDの初期では、言葉の数が減少していくことにより周囲との意思疎通がむずかしくなり、世界が狭くなって自己中心的になってきます。言語によるコミュニケーションの障害が、早い時期からみられることが特徴です。しかし、他者に対しての礼節は保たれ、接触は良く柔和な方も少なくありません15)。生活歴や趣味・関心ごとに目を向け、それを生活の中で楽しむことができるよう働きかけることが、その人の生活の枠組みを作り、生活にリズムを与えるきっかけになります。また、FTD と同様にエピソード記憶や視空間認知力は比較的保持しているので、なじみの関係を作って、環境を調整し、今できることが他にないかいろいろ試してみることも大切です。その試行錯誤が、その人らしさを保つことにつながり、介護する側にとっても良い関係を維持する一方法となります。

- SDケアのポイント -
① 減っていく言葉の数にとらわれないで、感情をのせた声かけを大切にしましょう
病気が進行していくと「はい、はい、はい・・・」と同じ語の繰り返しが多くなります。たとえ話の内容がなくても、本人の発話意欲を尊重して、周囲はそれに全身で応えようとする姿勢が大切です。
言葉そのものよりも声の調子や表情で伝わるものが大きいので、場面を共有しながら、感情のこもった声かけを続けていくことが、コミュニケーション意欲を維持し、発話行為そのものを引き出す手段となります。
② 大いにしゃべりましょう
話すことと食べることは、同じ口腔内器官を使います。舌や唇などは、発話と食事に共通したとても細かい動きをしています。動かないと足腰が弱るように、使わないために弱ることがないよう声をかけておしゃべりを促しましょう。

*SDはFTDと同じく前頭葉・側頭葉が進行性に障害されていく病気です。進行するに伴いFTDと同様の症状が現れてくるため、その場合は前項の『介護をする中から見つけたFTD ケアの10か条』に
準じます。

介護をする中から見つけたFTD ケアの10か条
① 自然体で接しましょう
活発な行動障害が目立ちコミュニケーションがとりにくいことから、介護者の思いが伝わりにくく対応に困惑しがちです。そのため介護者が過度に緊張し、怖がったり特別な人と思ったりしがちです。
表情が硬くても怒っているわけではなく、他者とうまく関係がとれないのも病気によるものです。表現できないだけで感情は豊かで、なじみの関係が築ける人であることを理解し、恐れること、気負うことなく自然体で接しましょう。
② 病気を理解し症状の特徴をケアに活かしましょう
FTDでは、時刻表的生活や周徊、机や手を反復して叩くなど同じ行動を繰り返す常同行動。自分の身なり、周囲や他者への配慮や礼儀が欠け、整容に無頓着になるなどの無関心。本能のおもむくままに行動するために万引きなどの反社会的な行動を起こしてしまう脱抑制。音や声、視野に入るまわりの刺激に容易に反応してしまう被影響性の亢進。毎日同じものばかりを食べる、過食・盗食など食行動の異常など、さまざまな症状が出現しますが、病気の特徴を利用しケアに活用することができます。
③ 周徊を放置しない・そのままにしてはいけません
特にトラブルがなければ周徊が続いていても、好きにしていてもらうことはありがちです。しかし、疲れていても自分からは休息をとれずに歩き続け、歩行バランスをくずし転倒することや、気づかないうちに踵などに疲労骨折をしていることがあります。休息が取れるための工夫が必要です。
④ しっかり行動観察をしましょう
認知症の人が求めているケアを見つけるには、毎日どのように行動し、何に興味を示しているのかなど、行動のパターンや特徴を知り、手がかりを探ることが大切です。
⑤ 認知症の人ご本人を知るために、本人の生活史を振り返りましょう
どのような性格で、どんな仕事をしていて、何が趣味だったかなど、その人の生き方の中にケアの手掛かりやヒントがいっぱいあります。生活史から興味を示しそうなこと、できることを探してみましょう。
⑥ コミュニケーションの方法を工夫しましょう
言語メッセージだけでは思いを伝えることが難しくなります。手招きなどのジェスチャーや目の前で椅子を後ろに引く、ドアを開ける、直接物を見せるなど視覚に訴える非言語メッセージを活用しましょう。
⑦ 環境を整えましょう
認知症の人は、周囲の人の行動・声やざわめきなどに刺激をうけ、食事や活動に集中しにくくなります。そのため、静かな場所、集中できるスペース作りが必要になります。また、最初は特定の介護者が続けて担当するなど、なじみの関係を作り安心感を得てもらうことや、混乱を招かないようにする
ためにスタッフ間の意思統一が必要になります。
⑧ 無理強いや強引な制止をしてはいけません
手を引っ張る、前に立ちふさがる、しつこく誘うなどは、良い結果が得られません。記憶力は保たれているのでイヤな事をされた記憶は残り、その後の介護をしにくくさせてしまいます。
⑨ 持っている力を活用しましょう
記憶力は保たれているので、顔見知りになりなじみの関係ができると、一緒に行動することができるようになります。また、昔にしていたような仕事や得意だったこと、なじみの道具を使う手続き記憶も残っています。
⑩ 食の欲求、食行動の変化を見落とさずに対応しましょう
甘いもの、濃い味のものに好みが変わるなどの嗜好変化や、同じ料理や食品にこだわる食への執着、過食が見られるようになってきます。食の偏りや過食は身体疾患を招く原因となります。さらに症状が進むと、何でも口に入れてしまう口唇傾向がみられたり、食べ物をどんどん口に詰め込みうまく嚥下することができずに誤嚥や窒息を招いてしまうこともあります。出現するであろう問題を予測した対応が必要になります。


この記事へのコメント

gotoyan
2013年08月15日 21:31
ららさん
詳しく載せていただいてありがとうございます。
改めて意味性認知症の大変さと前頭側頭型認知症との類似点など、見直しました。
大阪市は本当に行き届いていますね。東京都も若年性認知症については進んでいると思います。ネットで検索した限りでは、東北は宮城・岩手です。コウノメソッドと言う言葉も、わが県で通じるのか疑問です。
18日、家族会に参加してみようと思います。できたら、前頭側頭型認知症を家族に持つ方と知り合いたいと思いますが、少数派の認知症ですものね、いないかも・・・。
夫とのお盆は、ショッキングでした。
ブログ更新する気力が起きません。
もう少し落ち着いたら、書き出したいと思います。
Y
2013年08月15日 21:40
ららさん
こうやって体系的にまとまった物を見ると落ち着きますね。
ああ、こうだったなあ。。。と思う部分と、あてはまらない部分とを見分ける参考になります。

この病気に接している医師や介護スタッフの人達同志の情報交換も望みたいですね。

gotoyanさん
日記更新の気力がない・・・わかります、その気持ち。
私もこの間そうでした。

昨日と今日は、お煎餅やチョコは、手縫いの人形を主人に投げつけました。「やめろ」と主人は言いましたが。
Y
2013年08月15日 21:41
お煎餅やチョコは→お煎餅やチョコや

の間違いです。
らら
2013年08月16日 15:48
gotoyanさん
大阪市はスゴイですよね。
これを読んで、暫く考えてしまいました。
関西のオープンな気風もあるのでしょうか。
進んでいますよね。
いろいろ、頭の中だけで考えてしまって
暑さのせいにしてダラダラしていました。
今日はやっと散歩に付き合いました。
気力って大事ですね。
お互い、自分を大切にしましょう。
それが夫のためでもあると思います。
らら
2013年08月16日 15:56
Yさん
介護スタッフの方には、ぴったりの参考書ですね。

Yさんを見習ってドライブと散歩。
大サービスしました。
ファミレスにペットボトルを持ち込んで
その中に水を入れるので怒ってしまいました。
きっとYさんも物を投げているだろうなって思っていました。
お気持ち良くわかります。
それぐらい許してもらいましょうね。
怒っても本人はぜーんぜん気にしていません。
2013年08月17日 11:27
知らないことがばかりでした。
とても参考になりました。
ありがとうございました。
自治体によって随分と違うんでしょうねぇ。
臨床、実践に裏打ちされた、こうした情報提供はありがたいですね。
らら
2013年08月18日 00:44
donjoyouさん
ありがとうございます。
donnjoyouさんのブログも
読ませていただいています。

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