354.「前頭側頭葉変性症」の情報

「前頭側頭葉変性症」について難病情報センターの記事がありました。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4840

「前頭側頭葉変性症」とはどんな病気でしょうか。
と病気の解説が一般利用者向けに書かれていました。

医療従事者向けの診断・治療指針の記事も興味深く読みました。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4841

前頭側頭葉変性症は平成27年7月に難病に指定されました。
研究が進んで欲しい、病気を解明して欲しいという思いから私も申請しました。
難病患者のひとりとして夫も登録されたことになります。

私は、家族であって医者でも学者でもありませんが夫の病気のことが不思議でなりません。
知りたいという思いがあります。

最近、進行のためか歩行困難になってきたことも病気とどのように関係があるのか。
薬剤性パーキソニズムを疑って、すべての薬の服用を中止しても歩行困難は進行している。

「前頭側頭葉変性症とパーキソニズム」について・・・・
なぜ? 原因は?治療法は?

原因も治療法も解明されていないから「難病」です。


難病センターの記事(平成27年12月25日)にありました。

1. 「前頭側頭葉変性症」とはどのような病気ですか
大脳の前頭葉や側頭葉を中心とする神経細胞の変性・脱落により、人格変化や行動障害、言語障害などが緩徐に進行することを特徴とする神経変性疾患です。また、経過中にパーキンソニズムや運動ニューロン症状をはじめとする種々の程度の運動障害を認める場合のあることも特徴です。アルツハイマー病に比べて疾患の頻度は低いのですが、65歳未満で発症する若年性認知症の比率の多いことが特徴で、臨床的にも物忘れではなく、行動障害や言語障害が中心となるため、診断の遅れる症例や社会的に問題となる症例を多く認めることも特徴です。さらに就労年齢や子育て中の年齢で発症することも多いため、経済面での負担や子供への対応などが大きな問題になることがあります。


6. この病気ではどのような症状がおきますか
人格変化・行動障害と、言語の障害が2大症状として出現してきます。人格変化や行動障害の具体的な事例としては、抑制が効かない(社会的に不適切な行動、礼儀やマナーが無くなる、衝動的で分別が無い、周囲の目を気にしないなど)、無関心や無気力、共感の欠如(風邪で寝込んでいる妻に対して、いつも通りに平然と食事を要求するなど)、同じ行動や言葉を繰り返す(同じコースを散歩する、同じ食事のメニューに固執する、時刻表的な生活パターンを過ごすなど)、食事や嗜好の変化(アイスクリームや饅頭を何個も食べる、ご飯に醤油や塩をかける、珈琲に何杯も砂糖を入れるなど)などを認めます。
言語障害の具体的な事例としては、富士山や金閣寺の写真を見せても、山や寺ということは理解できても特定の山や寺と認識できない、信号機を提示しても「信号機」と呼称ができず、「見たことない」と言い、その後「青い電気がついとるな」などと答えたりする等の、単語の理解障害に基づく物品の呼称障害が出てきます。
人格変化・行動障害、言語の障害以外にもパーキンソニズム(ふるえる、動作がゆっくりとなる、関節がかたくなる、転びやすくなる)や運動ニューロン症状(筋力の低下、筋肉の萎縮、身体のつっぱり)を認めることがあります。これらの症状は経過中に種々の程度で合併しうることが知られています。


医療従事者向けの記事より

1)概要
a.定義
前頭側頭葉変性症 (FTLD) は主として初老期に発症し、大脳の前頭葉や側頭葉を中心に神経変性を来たすため、人格変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害などが緩徐に進行する神経変性疾患である。

c.病因・病態
前頭葉や側頭葉に限局した神経細胞の脱落がみられ、残存神経細胞にはタウ蛋白やTDP-43、FUSなどの異常蛋白が蓄積していることが知られているが、なぜこのような変化が起こるかは解っていない。家族性の場合には、タウ遺伝子、TDP-43遺伝子、プログラニュリン遺伝子などに変異が見つかっている。

3)治療 治療指針
FTLDは進行性の変性疾患であり、自然経過を修飾できる根本的な治療方法は未開発である。背景病理を推定しうる診断方法や、客観的に進行を評価しうる指標の確立は病態抑止治療開発へ向けた課題となっている。
FTLDで認める行動障害については、SSRIが一部の症例に有用である(保険適応外)。また症例報告レベルであるが、抗精神病薬や抗てんかん薬が有効となる可能性があるものの(保険適応外)副作用に対する十分な留意が必要である。認知機能障害については、FTLDで高頻度に認める遂行機能障害、失語に対して有効性を証明出来た治療薬はなく、コリンエステラーゼ阻害薬は、むしろ一部の症状を悪化させる可能性もあるため注意が必要となる(保険適応外)。
エビデンスは少ないものの、行動療法的介入など非薬物療法も有用であり、治療の中心となる。特に患者の保たれた機能、特徴的な症状、それまでの生活様式を利用することで行動異常の軽減や、介護者の負担を減らすことも可能な場合がある。また、患者の行動異常や言語障害の評価をもとにして、症例毎に応じた家族の病態理解を進めることや、対応方法を指導することも大切である。
運動障害としては、筋萎縮や筋力低下を呈する運動ニューロン疾患を示すことがあり、この場合には呼吸不全や嚥下障害の出現に十分留意する必要がある。また、パーキンソニズム、特に進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核症候群の臨床症状を示すことがあり、転倒を繰り返す場合もある。レボドパ製剤は、効果が限定的か無効であることが多い。


5)最近のトピックス

家族歴は、欧米では30-50%に認めるが、日本ではほとんど認めない。この1つの原因として、C9orf72遺伝子のイントロン1内の6塩基くりかえし配列の異常伸長が、欧米では非常に多く認める一方で、日本における頻度は極めて低いことが挙げられる。その他に、タウ遺伝子、TDP-43遺伝子、FUS遺伝子、プログラニュリン遺伝子の変異などが知られているが、これらも欧米に比して頻度が低いと考えられている。

タウを可視化するPET研究が進んでいる。2015年時点で、PBB3、THK5351 (5117)、T807の利用が可能である。PBB3とTHK5351 (5117) は我が国で作成された。診断のみならず、タウを指標とした治療法開発につながると期待されている。

病理学的にTDP-43が背景にあるFTLDは、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) との連続性が、Tauが背景にあるFTLDは、大脳皮質基底核変性症や進行性核上性麻痺との連続性がそれぞれあることが明らかとなっている。

夫の歩行困難、すくみ足、筋力の低下等の症状は前頭側頭葉変性症の症状、ということらしい。
そしてドパミン不足を補うパーキンソン治療薬レポトバ製剤は効果が期待できないらしい。

研究は進んでいるらしい、ということがわかりました。
全部が夫に当てはまるとも限りませんが、進行性の変性疾患で治る事はない、とわかります。

「すくみ足は薬で改善される可能性もある」と医師にいわれていたので今のまま何も飲ませないでいいのか時々揺れ動いていました。

根本的な治療法がないのですから、進行をそのまま受け入れるだけです。
穏やかに暮らせたら、それでいいと受け入れられます。

できるだけ今の状態を維持できるよう介護の工夫もしたいと思います。

この記事へのコメント

ancokujira
2016年10月30日 21:11
理解できる部分、できない部分、
いろいろですね。

妻の足の硬直も、これを見て
病気の症状なのかと思いました。

いずれにしても、
ららさんの言われるとおり、受け入れるしかないのですよね。

寝たきりでも健やかに過ごさせてやりたいと思います。

いつ何が起こるか分かりません。
1日1日、積み重ねていきたいですね。
らら
2016年10月30日 21:56
パーキンソン症状について神経内科の先生に質問すると「変性疾患だからいろいろな症状が出るのかもしれませんね」というお答えでした。

時々「病気の事、原因や治療の事をもっと知りたい」とネットで文献を調べています。
やっぱり「難病」です。
いつか難病でなくなって欲しいですが、難病であっても安心して暮らせたらいいと思います。

そうですね。
ancokujiraさん、1日1日を大切にしたいですね。
2016年10月30日 23:06
研究者の皆さん、介護の現場に来て、患者を見て!!と声を上げたくなりますね。

神経の不思議、言語の不思議。
もっと解明して次に生かしたいですね。
そんなことを思いながら今日も1日が終わりました。
らら
2016年10月30日 23:15
この中の「患者の行動異常や言語障害の評価をもとにして、症例毎に応じた家族の病態理解を進めることや、対応方法を指導することも大切である。」って紙の上の言葉ですよね。

お疲れ様です。
明日も良い1日でありますように。
みんと
2016年11月02日 22:11
今晩は、私もららさんとY さんと同じで 説明より行動してほしいです。税金ばかり上げて 医学や福祉が遅いなんて(`へ´*)ノ特に私の場合 夫の母親は難病の脊髄小脳変性症で12年苦しみました。私の父も難病のバージャー病で手術しましたが 最後は女性の足のように細くて白くて冷たかった。切断は免れましたが。そして夫が この病気なので、娘に申し訳ない気持ちです。今も夫は頑張って生きてる❗だから もう少し頑張るようにリハビリ病院に転院させます。私達を忘れて欲しくないけど、せめて 一人で車イスに座れたら 家に連れて帰りたいです‼
らら
2016年11月03日 09:30
みんとさん
なかなか思い通りに行きませんよね。
目の前の現実を受け入れて出来ることをやるだけですね。
ご主人、リハビリ病院に転院できるのですね。
良かったですね。
笑顔が見られると嬉しいですよね!
寒くなりますので、みんとさんも無理なさらないでくださいね。
2016年11月03日 13:42
ららさん、
参考になります。
予後について興味深く読みました。

運動ニューロン症状の出現が予後に大きく影響。
経過中に運動ニューロン症状を認めた症例の平均予後は約2年。
認めなかった症例の平均は約7年。
また一般に行動異常型に比べ、意味性認知症の生命予後は良い…

病気そのものよりも、ケガや事故によって亡くなる方も多いと思います。
介護がないと生きていけない夫を見ていると、私は夫の命を預かっているんだなぁと思います。
らら
2016年11月03日 23:07
シマウマさん
この「予後」の部分、私も頭に残って、ブログに載せようとして消しました。
誰がどうやって何年と決めるのでしょうね。
行動異常型の症状も以前はあって、今は運動ニューロン症状もある夫の予後は短い?

事故に注意ですね。

夫は長生きしそうな気がします。

この記事へのトラックバック